520人が亡くなった日航ジャンボ機墜落事故から29年を迎えた12日、遺族らは早朝から大粒の雨が降る中、墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山した。「安全に配慮してほしい」。今年は海外で空の事故が相次ぎ、安全運航を一層強く祈った。
遺族らは、雨具を着たり傘を差したりして尾根にある「昇魂之碑」の前で手を合わせた。「安全の鐘」を鳴らして冥福を祈る人の姿もあった。
叔母の淳子さん=当時(20)=を亡くし、小学生から約20年間登っているという東京都新宿区の泉谷諒さん(26)は「小さいころは何気なくついてくるだけだったけど、歴史的に大きな事故なので伝えていくことに大きな意味があると感じている」と話し、墓標前で手を合わせた。