岸田敏志、9年ぶりシングル「ボクガ・ココニ・イル」 優しく響く家族の幸せ | 毎日のニュース

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 歌手で俳優の岸田敏志(さとし)(61)=旧芸名・智史=が、家族と過ごす何げない一日をアコースティックギターのサウンドに乗せて歌った9年ぶりの新シングル「ボクガ・ココニ・イル」(フレンズケイ音楽出版、1200円)を発表した。「モーニング、モーニング」と歌った「きみの朝」のころと変わらず、伸びる高音が優しく響く。「どこにでもある日常の瞬間にこそ幸せがある、と歌ったラブソングです」と話す。(安田奈緒美)

 ゆったりと時間が流れるある日の午後、「きみ」と「ボク」、そして眠っている「かわいい女の子」「子猫」がいる。

 そんな、一家の幸せを描いた一曲「ボクガ・ココニ・イル」は、数年前に完成していたが、一度ライブで披露して以来、昨秋発表したアルバムのコンセプトには合わなかったために眠らせておいたのだという。

 世に出るきっかけは今年4月、NHKラジオ第1の番組で取り上げられたこと。リスナーから「CDはどこで買えるのか」「結婚する娘のために歌いたい」と反響が相次いだため、CD化することになった。

 私小説のように自分の物語を描いているわけではない。ドラマ「1年B組新八先生」「渡る世間は鬼ばかり」などに俳優として出演した経験を生かして、「絵コンテを書くように」思い浮かんだ情景だという。

 「身の回りにある幸せを歌いたかったので、なるべくシンプルな言葉とメロディーで表現しようと思いました」と話す。伴奏はアコースティックギター。「僕と同世代の人たちが、若いころ親しんだギターを再び手に取ってコピーしてくれたらうれしいですね」と期待を込める。

 自身も教師を目指していた学生時代、ギターを抱えて歌っていた。デビューのきっかけは、作曲の仕事をしていたいとこがレコード会社に持ち込んだテープに、消し忘れて残っていた岸田のオリジナル曲が、CBSソニーのプロデューサーの耳にとまったことだった。