【マンスリー将棋】女流発足40周年で600人が祝う | 毎日のニュース

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 女流棋士制度が発足して今年で40周年。日本将棋連盟の女流棋士会(会長・矢内理絵子女流五段、会員51人)が6月29日、東京・渋谷で記念パーティーを開き、600人を超えるファンが参加して節目を祝った。

 冒頭、日本将棋連盟専務理事の青野照市九段は「私もプロになって同じ40年。最近のタイトル戦の中継を見ていると、若手男性棋士の解説より、女流棋士がいい手を指摘することが多い」と、実力が飛躍的に伸びている現実を認めた。続いて、田丸昇九段が「当時の大山(康晴十五世名人)日本将棋連盟副会長も『スポーツのように男女分けてやるべきだ』と話していた」という逸話を紹介した。

 女流棋士制度は昭和49年、蛸島彰子女流五段(現日本女子プロ将棋協会所属)や、アマチュアで活躍していた関根紀代子現女流六段らをプロにして6人で発足、同年10月には初の女流タイトル戦「女流名人位戦」(現女流名人戦)が行われた。以来、女流王将10連覇などの記録を持つ林葉直子さん、フリー棋士の中井広恵女流六段、女流棋界を背負ってきた清水市代女流六段、そして里見香奈女流2冠と続く。

 来賓の羽生善治棋聖(4冠)は「一昨年は名人が誕生して400年。女流はその10分の1の40年で大きく飛躍した」とたたえ、森内俊之竜王も「同じ道を志す仲間として心強く、今後はさらに役割も大きくなる」と期待を込めた。会場ではペア対局や写真撮影などが行われ、女流棋士が存在感を高めた一日だった。(藤田昌俊)