またも爆音と黒煙、流血と悲嘆の光景だ。
イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区への本格的軍事作戦を開始し、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘が激化した。
イスラエル軍の空爆でパレスチナ住民多数が命を失い、イスラエル側でも国民がハマスのロケット弾の恐怖におびえている。
双方とも、これ以上、流血を拡大させないように、直ちに攻撃を停止しなければならない。
引き金は陰惨な事件だった。先月中旬、イスラエル人少年3人が拉致・殺害され、イスラエル側はハマスの犯行と主張した。
今月初めには、パレスチナ人少年1人が連れ去られ焼死体で発見されるという、報復とみられる事件が起きた。イスラエル当局はイスラエル人容疑者たちを拘束し、法で裁こうとしている。
だが、パレスチナ人は憎悪を募らせ、抗議デモから、ロケット弾攻撃と空爆の応酬へ発展した。
イスラエルのネタニヤフ首相は11日、平穏が戻ったと国民が確信するまで作戦を継続すると表明した。同国軍は予備役兵を招集、ガザ境界付近に戦車部隊を配備し地上侵攻の構えも見せている。
2008年暮れから翌年にかけてのガザの戦闘では、イスラエルの地上部隊投入で1400人余のパレスチナ人が犠牲になった。惨劇を繰り返してはならない。