東京・田園調布で昨年11月、女子中学生が誘拐された事件で身代金目的略取などの罪に問われた元運送会社社員、羽田宏明被告(44)の裁判員裁判の初公判が10日、東京地裁(前田巌裁判長)で開かれた。羽田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述などによると、羽田被告は昨年11月6日午後5時すぎ、男2人と共謀し、東京都大田区田園調布の路上で、歩いていた中学1年の女子生徒を軽ワゴン車に押し込み、両手足を縛るなどして監禁。その上で羽田被告が同日午後6時50分ごろ、女子生徒の母親に「2千万円を明日夜7時までに用意しろ」などと電話し、身代金を要求したとしている。
共犯の男2人は監禁罪などに問われ、東京地裁の公判で弁護側が「羽田被告が計画し、2人は従属的な立場だった」と主張。2人は今年3月、いずれも懲役2年が言い渡された。
羽田被告の弁護側も冒頭陳述で「被告の主犯性は争わない」と述べた。