大型で非常に強い台風8号は7日、沖縄の南海上を北西に進んだ。8日は猛烈な台風に発達する恐れがあり、気象庁は「7月では過去最強クラス」として7日夜、沖縄県の宮古島地方に暴風と波浪、沖縄本島地方に波浪の特別警報を出した。8日未明には沖縄本島地方の久米島に暴風の特別警報も出した。
「数十年に1度の強さ」を基準とする特別警報の発表は、昨年8月末の運用開始から2例目で、台風の基準では初めて。気象庁の海老原智予報課長は会見で「これまで経験のないような暴風、波浪、高潮、大雨の恐れがある。重大な危険が差し迫る異常事態だ。不要不急の外出を避け、早めの安全確保を図ってほしい」と最大級の警戒を呼び掛けた。
政府は7日午前、官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。オセアニア歴訪中の安倍晋三首相は、的確な情報提供や避難支援などの徹底を指示した。沖縄県宮古島市は7日午後10時、市内全域の約2万5千世帯に避難勧告を出した。
気象庁によると、台風は8日午前に宮古島へ接近後、10日には九州に近づく見通し。勢力はやや弱まる予想だが、九州でも厳重な警戒が必要としている。8日にかけ予想される最大風速(最大瞬間風速)は沖縄で55メートル(75メートル)、鹿児島県の奄美で25メートル(35メートル)。台風の中心気圧は7日午後11時現在で930ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル。