卵子凍結保存に70%が否定的 子供いない35歳以上女性は肯定感 | 毎日のニュース

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 パートナーのいない女性が将来の妊娠に備えて自分の卵子を凍結保存することについて、岡山大の研究グループが成人男女を対象に意識調査を実施、回答者の70%以上が否定的に捉えているとの結果をまとめた。肯定的だったのは約27%で、とくに子供がいない35歳以上の女性に肯定感が強い傾向がみられた。

 調査は昨年7~9月、東京、愛知、大阪など8都府県に住む男女5972人に調査票を郵送して行われ、1144人から有効回答を得た。男性は343人、女性は798人、性別不明3人。平均年齢は44・5歳だった。

 パートナーがいない女性が卵子や卵巣組織を凍結保存することについて「肯定的」「どちらかといえば肯定的」とした人は27・7%、仕事に打ち込むために女性が凍結保存することに同様の肯定感を示した人は24・2%。逆に、こうした社会的理由での凍結保存に否定的な人は70%を超えた。

 女性の回答を詳しく見ると、35~44歳で子供がいない人のグループでは、パートナーがいないケースで肯定感を示した人が43・6%、仕事に打ち込むためのケースで38・2%と、全体より高い傾向が見られた。

 一方、「がん患者が将来の妊娠に備えて」といった医学的理由の場合、肯定的な人の割合は全体の79・8%で、社会的理由の場合に比べて高かった。

 日本生殖医学会は昨年11月、健康な独身女性が将来の妊娠に備えて若いうちに卵子を凍結保存することを認めるガイドラインを決定。凍結保存を手掛ける施設も出ているが、出産の先送りにつながるとの懸念もある。