【ブラジルW杯】特別な開幕戦での審判 見方の違いにはサッカー文化の違いも | 毎日のニュース

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 サッカーのワールドカップ(W杯)は12日、開催国ブラジルがクロアチアに逆転勝ちして幕を開けた。西村雄一主審、相楽亨、名木利幸両副審の3審判員が日本人では初めて開幕戦を担当し、大役を全うしたが、一部判定にクロアチア側が反発し、物議をかもす事態もあった。選手はもちろん開幕戦の審判は、独特の雰囲気で難しいといわれるが、騒ぎの背景には欧州と日本のルールに対する姿勢の違いもありそうだ。

 問題になったのはブラジルが決勝点を挙げるPKを得た後半24分のシーン。ペナルティーエリア内でロブレン(クロアチア)のマークを受けて、フレジ(ブラジル)が倒れると、西村主審はファウルと判定。納得のいかないクロアチア選手に詰め寄られたが、西村主審は毅然と対応した。

 試合後の会見でクロアチアのコバチ監督は「誰がみてもファウルではない。ばかげている。審判に問題があった」と激怒。「欧州と南米の審判に任せられないのは分かるが、少なくともトップレベルの審判が裁くべきだ」と言い切った。確かに、リプレーではフレジが故意に倒れたようにもみえる。しかし、ロブレンもフレジに接触していた。ブラジルのスコラリ監督は「10回みたが、ファウルだと思った。人は願ったように解釈する」と振り返る。

 ルール上は「相手を抑える行為をすれば、直接フリーキック」とある。ただしシミュレーションにも厳しい視線が注がれているのは事実で、ある関係者は「接触プレーに比較的寛容な欧州と、悪くいえばルールに杓子(しやくし)定規な日本との違いが影響した面もあるかもしれない」と指摘する。