【女子医大男児死亡事故】厚労省と都が立ち入り検査 禁止鎮静剤問題で | 毎日のニュース

毎日のニュース

今日の出来事をニュース配信中!

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で2月、男児(2)が手術後に鎮静剤「プロポフォール」の過剰投与で死亡した事故で、厚生労働省と東京都は13日、子供への使用が禁止される同鎮静剤が男児とは別の子供63人に投与された問題について、医療法に基づき同病院を立ち入り検査した。

 厚労省などによると、立ち入りは午前11時から、都と関東信越厚生局の担当者ら十数人態勢で実施。同病院が5月末に同省などに提出した調査報告書には、63人への投与についての記載がなく、病院の担当者から聞き取りを行うなどして事実確認を行った。

 問題は同大の吉岡俊正理事長らが12日に行った記者会見で判明。投与された63人のうち、12人が投与後3年以内に死亡していたことなどが明らかにされた。同病院は鎮静剤投与と死亡の因果関係を否定しているが、田村憲久厚労相は閣議後会見で「これだけ常態化して使われているのは特異な例」と指摘。都は「早期に調査を行い、結果を報告するよう病院側に求めた」としている。

 プロポフォール 手術時の全身麻酔や、術後管理時の鎮静などに使う薬。海外で子供の死亡例が報告されたのを受け、厚生労働省が平成13年、集中治療下での人工呼吸中の子供への投与を「禁忌」とするよう製薬会社に指示し、添付文書が改訂された。投与中にまれに起きる循環不全などの特有の重い副作用症状は「プロポフォール注入症候群」と呼ばれる。