東京女子医大病院(東京都新宿区)で2月、男児(2)が手術後に鎮静剤「プロポフォール」の過剰投与で死亡した事故で、男児の遺族側は13日、東京女子医大病院が5月末に提出した調査報告書は「内容が不十分極まりない」として、撤回を求める要望書を病院側に提出した。
遺族側の代理人弁護士によると、報告書には、集中治療室(ICU)で鎮静剤を投与された男児の「心電図異常」を示す警告が死亡の約40時間前に示されていたことや、別の医師が尿の色の異常な変化に気づいていたことなど、事故後に病院側が遺族に説明した内容の記載がなかった。また、以前の説明とは異なっている点や、間違いとみられる記述もあったという。
代理人弁護士は「命を助けられたかもしれない兆候があったのに、放置を続けたことに関する記述がなく、再発防止のことばかり書かれている」と指摘。「事実関係の整理自体がずさんで、まっとうな再発防止策ができるはずがない」と述べた。