【ニューデリー=岩田智雄】パキスタン南部にある同国最大の商業都市カラチで8日深夜、ロケット砲などで武装した集団が市内の国際空港を襲撃し、軍・警察の治安部隊と銃撃戦となった。襲撃は9日未明に制圧されたが、AP通信などが当局者の話として伝えたところでは、兵士や空港関係者ら計13人が死亡。武装集団も10人全員が死亡した。
武装集団の一部は警官に偽装して、爆発物や自動小銃、ロケット砲などの武器を携行していた。空港内の2カ所に立てこもり、治安部隊との戦闘は約5時間続いた。一部の襲撃犯は自爆するなどし、空港内からは大きな煙が上がった。
襲撃されたのは、要人や巡礼者の専用施設で、国際旅客用のターミナルから離れている。空港は閉鎖され、全便が運航見合わせとなった。旅客や航空機の被害は伝えられていない。
パキスタンでは、イスラム原理主義組織「パキスタンのタリバン運動」(TTP)と政府の間で和平交渉が行われているが、成果は出ておらず、TTPの犯行の可能性がある。
パキスタン西部のイラン国境に近いタフタンでは8日、少数派のイスラム教徒シーア派の巡礼者が自爆テロに遭い、23人が死亡した。