狙われる企業の頭脳 相次ぐ流出、遅れる日本の法整備 | 毎日のニュース

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 再び一流企業の機密情報の流出が明らかになった。今年3月の東芝に続き日産でも流出が判明、企業情報が退職者らに盗み出されるケースが後を絶たない。専門家は「取り締まる法律は諸外国と比べて不十分な点があり、整備が必要だ」と指摘している。

 企業の情報流出問題をめぐっては、産業界から「技術流出で国際競争力が低下している」と規制強化を求める声が上がり、平成15年に不正競争防止法が改正され、営業秘密が漏洩(ろうえい)した場合に刑事罰が導入された。

 ただ、営業秘密を盗み出した元社員がライバル企業に利益を生み出す情報を提供するなど、加害者の「悪意のある動機」を立証する必要があり、立件のハードルは高かった。

 21年に再度、法改正され営業秘密を無断でコピーしたり社外に持ち出す行為に対し罰則が規定された。今回の日産元社員の事件の場合、法改正前では取得の目的や開示した形跡の証明が必要で立件は困難だったとみられる。

 諸外国の法律では情報漏洩は厳罰化が進んでいる。国内法では秘密漏洩は個人の罰則は懲役10年以下または罰金1千万円以下、企業側の罰則は3億円以下の罰金。流出先が海外でも罰則は変わらない。

日本では批判を恐れ告訴ためらうケースも