死亡した元教諭の公務災害を認定 小学校工事でアスベスト吸引と判断 | 毎日のニュース

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 北海道苫小牧市の市立小学校に勤務し、平成17年に中皮腫のため68歳で死亡した元教諭の男性について、地方公務員災害補償基金北海道支部の審査会が校舎の増改築によるアスベスト(石綿)を吸引したのが原因と判断し、公務災害と認定していたことが13日、関係者への取材で分かった。

 審査会の裁決(3月19日付)によると、元教諭は昭和32年から平成9年、市内の小学校6校に勤務。うち増改築工事の内容や期間が把握でき、石綿が飛散したと推定できる3校で昭和38~58年度に330~430日間にわたって石綿を吸ったと認定した。工事で飛んだ石綿が清掃で再飛散し、中皮腫の原因になったと判断した。

 元教諭は退職後に中皮腫と診断され、平成17年8月に死亡した。遺族は公務災害の認定を求めたが基金支部が24年10月、「公務外の災害」と判断。遺族がさらに、第三者機関である審査会に不服を申し立て、結論が覆された。