先日、スーパーでの買い物でレジの精算を待っていたときのことでした。私の前には20代前半ぐらいの青年が並んでいました。彼の精算の番になって、レジの係の人が途中で「割り箸要りますか?」と聞きました。そして彼はこう答えました。
「1膳お願いします」
何げない当たり前の答えですが、以前、新聞紙面でのことを思い出しました。それは紙面で「割りばし1本」としたところ、読者から「箸は膳で数えるもの」と指摘されたことです。
確かに箸は「膳」で数えます。そのときも「膳」とするのではと内部からの意見もありました。ただこのときは字数が限られ、表記となると「割りばし1ぜん」または「割りばし1膳(ぜん)」としなければいけません。前者では1字しか増えませんが「ぜん」が何の漢字か分からず、後者では字数が多くなります。それに箸ではなく割り箸だったということです。
「数え方の辞典」(小学館)という本があり、その中で割り箸の項に「未使用のものは『本』で数えることもあります」とあったので「本」でも良いだろうと判断し、直さなかったのです。
「箸」ならなんでも「膳」ではない