【近づく祭典】経済成長はカナリア軍団まかせ? ブラジルW杯優勝が景気左右 | 毎日のニュース

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 サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開催まで1カ月余り。にわかに活気づいた街には、「カナリア軍団」の黄色と、ブラジル国旗を象徴したグリーンが目立つ。W杯と2016年のリオデジャネイロ五輪の開催は、成長の陰りが指摘されるブラジル経済への“起爆剤”となるのか。

 ■デモに大量解雇…将来に影落とす

 「政府はポジティブ(前向き)な見方をしていますが、研究データはもう少し悲観的です」。同国・パラナ連邦大学経済学部のジョン・ネト教授はそう話す。

 ブラジル政府は、W杯と五輪の開催で、約1550億レアル(約7兆円)の経済効果と約300万人の雇用創出が可能との試算を出した。空港や鉄道、道路などのインフラへの投資や、観光客の増加、テレビやパソコンをはじめとする国内消費の増加などの直接効果で約1・8兆円、さらにそこからの経済波及効果が約5・2兆円に上るという。

 だが、ネト教授は「12会場のうちの1つとなっているパラナ州クリチバ市だけで、昨年1年間に約1千人の建設作業員が解雇された」と話し、政府試算に疑問を投げかける。