原子力規制委員会は8日、原発の再稼働に向けた安全審査会合で、九州電力が再提出した川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の申請書類に不備があるとして、27項目にわたる修正を求めた。川内はさらに再稼働が遅れる見込み。
昨年7月に審査申請した九電は、これまでの規制委からの指摘を反映した補正申請書(約7200ページ)を4月末に提出。これを受けて、規制委は事実上の合格証となる審査書案の作成に入る予定だった。
この日の会合では、火災や竜巻など自然災害に対する対応の記載が不十分であったり、原子炉格納容器の破損を防ぐための手順の一部が未記載であったりするなど、不備が指摘された。
九電の担当者は「近いうちにさらに補正をさせてもらう」と話した。
川内原発は審査で他の原発より先行する「優先原発」に選ばれ、規制委は人員を集中して審査している。川内の審査の遅れは、その他の原発の再稼働にも影響する。