【ワシントン=加納宏幸】米国務省のサキ報道官は7日、声明を発表し、中国が石油掘削を始めた南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島近くの海域でベトナム船と中国公船が衝突したことについて「船舶による危険な行動と威嚇を強く懸念する」と表明した。その上で、関係国が安全で責任のある態度で行動を取るとともに、領有権主張を平和的に国際法に基づいて処理するよう求めた。
ベトナムは問題の海域が自国の排他的経済水域(EEZ)だとして、掘削を阻止するため約30隻を派遣。掘削設備を護衛する中国船約80隻の一部と複数回にわたり衝突した。ベトナムは中国船が意図的にぶつかってきたと主張している。
衝突の原因となった掘削活動について、サキ氏は「係争のある海域で多くの公船を伴って掘削装置を導入するとの中国の決定は、挑発的で緊張を高めるものだ」と重ねて批判した。
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