【北関東おもしろミュージアム】100年のときを超えて優雅に 栃木・那須オルゴール美術館 | 毎日のニュース

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 館内に足を踏み入れると優しいオルゴールの音色が聞こえてきた。曲が終わると学芸員が別のオルゴール前で解説し、ぜんまいを回して次の曲の演奏が始まった。

 那須オルゴール美術館には100年以上前にヨーロッパやアメリカなどで製作されたオルゴール約100点が展示されている。田中健館長がオルゴールの収集家だった父親のメモリアルホールとして平成4年にオープン。館内はヨーロッパの城をイメージさせる豪華な造りで、オルゴールを愛した上流階級の気分で100年の時を超えて奏でる音色を楽しむことができる。

 最も古いオルゴールは1850年代のもの。また高さ2メートル、幅1・2メートルもあるタンスのようなオルゴールも展示されている。日本にオルゴールが伝わったのは江戸時代でオランダ人からだと紹介された。「オルゴール」という言葉はオルガンを意味するオランダ語から生まれたものだという。

 メーンホールの正面にある1860年代のスイス製オルゴールは世界最大級のシリンダー式で、全200曲が演奏可能。ピアノ、ドラム、シンバルなどが取り付けられ、迫力ある演奏が楽しめる1920年代のフランス製など、ここでしか見られないオルゴールも少なくない。

 館内には部品を豪華に飾り付けたオリジナルのオルゴールを作れるコーナーがある。ショップでの一番人気は、丸いガラスの中にウエディングハートや天使などが彫られ、発光ダイオード(LED)で輝くオリジナルのオルゴール。女性学芸員は「女性に人気で、彼女へのプレゼントだったら喜ばれること“テッパン”(確実)です」と大小判を押した。(宇都宮支局 伊沢利幸)

 所在地は、那須町高久丙270、(電)0287・78・2733。開館時間は午前9時半~午後5時。年中無休。入館料は一般1000円、中学・高校生800円、小学生600円。他館との共通券あり。午前10時~午後4時は1時間に1回、オルゴールを演奏。午前9時半から1時間に1回、ビデオ放映も。東北自動車道那須インターチェンジから車で約10分。