韓国南西部沖で沈没した旅客船「セウォル号」が、平成6年6月から平成24年9月まで、鹿児島や沖縄を結ぶ国内定期船「フェリーなみのうえ」として航行していたことが17日、運航会社のマルエーフェリー(鹿児島県奄美市)への取材で分かった。
同社によると、主に離島住民の生活の足として運航していた。日本では運航に支障が出るような事故はなく、仲介業者を通じ24年10月に韓国側に売却。約半年の整備期間を経て韓国で2013年3月から就航した。
日本製船舶は国内で15~20年運航後、アジア向けに転売されるケースも多く、整備や改造により30年ほどは運航できるという。
船は下に荷物を、上に車両を乗せる構造だといい、同社担当者は、何か大きな衝撃で荷物が偏った際に船体に穴が開き、沈んだ可能性もあると指摘。「心が痛む事故だ」と肩を落とした。