富山県の北陸自動車道で宮城交通(仙台市)の夜行バスが大型トラックに衝突し、2人が死亡、24人が負傷した事故から10日で1週間。死亡した小幡和也運転手(37)は11日連続の勤務中で、関係者からは運転手不足の慢性化を指摘する声も上がっている。
小幡運転手の2月の休みは4日間だけ。宮城交通は「社内規則で連続13日まで勤務が認められている」と弁明するが、平成24年に7人が死亡した関越自動車道のバス事故の教訓は生かされなかった。
バス業界では近年、人件費削減などの影響で運転手不足が問題となっている。国土交通省は昨年12月、運転手の確保や育成について検討会を開催。委員として出席した宮城交通の青沼正喜社長も、運転手不足で休日出勤が常態化している現状を報告していた。
バスなど職業運転手の労働環境に詳しい北海学園大の川村雅則准教授は「関越道の事故以降も、運転手の労働環境は依然として厳しく、安全に関する根本的な問題は解決されていない」と話している。