消息を絶った北京行きマレーシア航空機に盗まれたパスポート(旅券)を使って搭乗した男2人が、北京を経由し欧州行きの航空券を所持していたことが10日、分かった。2人はイタリア人とオーストリア人から盗まれた旅券で搭乗。テロ行為との関連が疑われる一方、航空券の目的地が北京ではなく欧州だったことから、薬物犯罪などに関わるグループの一員で、偶然不明機に乗り合わせていたとの見方も出ている。
捜査当局は監視カメラに写った2人の画像を詳しく解析、国籍などの割り出しを急いでいる。マレーシアやベトナムの関係当局などは10日、機体がUターンを試みた可能性も視野に範囲を広げて捜索を続けた。
盗難旅券で搭乗した2人の当面の行き先はアムステルダムだったことから薬物犯罪との関わりを疑う見方が出ている。オランダは少量の麻薬取引に比較的寛容とされ、欧州に入る麻薬の「中継点」ともいわれる。墜落が目的なら、なぜ欧州行きの航空券を購入したのか疑問も残る。(共同)