【ソチ=佐々木正明】ソチ五輪フィギュアスケート国別団体戦で、ロシア代表の金メダル獲得に貢献した15歳のユリア・リプニツカヤが、活躍のご褒美にモスクワ市内に新居をプレゼントされる可能性が出てきた。「ステート・アマ(国家養成選手)」と言われたソ連時代のメダリストへの報酬を彷彿とさせる。
団体戦の華麗な演技とジャンプで世界中のファンを魅了したリプニツカヤ・フィーバーは止まらない。19、20日の女子シングルに備え、12日に練習拠点のモスクワに戻ったリプニツカヤは空港で大勢のファンや報道陣に囲まれ、ロシア特殊部隊員が護衛につくほどの盛り上がりを見せた。
ソチではプーチン大統領とも対面。ムトコ・スポーツ大臣はフィギュアスケート界に現れたニューヒロインに、スポーツ界の発展に貢献した選手らに授与される「スポーツ・マスター」の称号を与えると発表した。
ロシア中部エカテリンブルク出身のリプニツカヤは小さい頃から才能を発揮。将来のトップスケーターを目指して、5年前に転居を決意し、1800キロ離れたモスクワへ移住してきた。当初の生活状況は厳しく、車の中で寝ていたとのエピソードも広く知られている。
リプニツカヤを支援してきたモスクワのスポーツクラブ「サンボ・70」はモスクワ市と協力して、リプニツカヤにモスクワでの新居をプレゼントする計画を立てているという。
同クラブの関係者はロシアのメディアに対して、「プレゼントの話はまだ秘密だけど、その方向で話が進んでいる。第一段階の協議はすでに終わっています」と語った。