伊首相が辞意、所属政党が退陣要求 就任わずか1年、経済改革遅れに批判 | 毎日のニュース

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 【ベルリン=宮下日出男】イタリアのレッタ首相は13日、所属する中道左派、民主党からの退陣要求を受け、辞意を表明した。政治、経済改革の遅れをめぐる党内批判に抗しきれなかったもので、昨年4月に就任した首相は1年足らずで辞任に追い込まれた。

 首相は14日にナポリターノ大統領に辞表を提出する意向。大統領は現時点の解散・総選挙に否定的とされ、首相に国会で信任投票を指示する可能性がある。この場合も後継候補を指名する見通しだ。

 メディアは後継候補としてフィレンツェ市長を務めるマッテオ・レンツィ民主党書記長(39)が有力だと伝えている。ただ、新政権樹立する場合、民主党は上院で過半数の議席を持っておらず、組閣の調整が難航するおそれもある。

 民主党は同日、首相の辞意表明に先立ち、党幹部会を開催。レンツィ氏は「大きな変化で沼地から抜け出す道を示す必要がある」と述べ、新政府樹立を求める方針を示し、大多数が投票で支持した。

 レンツィ氏は国政の経験はないが、若さとカリスマ性から国民の人気が高く、世論調査の支持率は50%を上回る。昨年12月に党書記長に選出以降、首相とは緊張関係が続き、最近は同国の課題である雇用対策や選挙制度改革の遅れに批判を強めていた。

 イタリアでは昨年2月の総選挙後、組閣をめぐる政治混乱に陥り、大統領の仲裁で、ライバル同士の民主党と現野党でベルルスコーニ元首相率いる中道右派政党が支えるレッタ政権が発足。昨秋の元首相による倒閣運動も乗り切っていた。