【アイスホッケー】あと2戦、守護神に勝利の笑顔を! 評判の才色兼備GK藤本那菜 | 毎日のニュース

毎日のニュース

今日の出来事をニュース配信中!

 【ソチ=榊輝朗】五輪初勝利を誓いアイスホッケー女子1次リーグ最終戦、ドイツ戦へ飛び出したが、壁は厚く0-4で完敗。「自分がゼロに抑えないと勝てない」とGK藤本那菜(24)は唇をかんだ。

 初戦のスウェーデン戦は0-1と惜敗。続くロシア戦も1-2で涙をのんだ。「1点」の重みを胸に刻んだスマイルジャパンの“番人”がまとう白いユニホームには、パックを受け止めた無数の黒い線が刻まれていた。

 昨年2月の五輪最終予選では、今大会控えに回った中奥梓に次ぐ控えGKだった。「チームの勝利が一番大事」と、悔しさを胸にしまいこみ、ベンチから声を張った。ただ一人、出場機会がないまま、ソチ行き切符を陰で支えた。

 転機は、昨年11月の「5カ国対抗戦」。中奥が先発した初戦でチェコに4-5と敗れ、先発のチャンスが第2戦のスロバキア戦で回ってきた。勝負の舞台で敵のシュートを何度もはじき返し6-0と快勝した。「ゼロに抑えられてよかった」。スマイルジャパンの守護神として手応えを感じた。

 父の影響で、6歳の頃アイスホッケーを始め、日本人初のNHL(北米プロリーグ)選手のGK、福藤豊氏を目標にする。163センチ。世界のGKでは小柄だが、針の穴を通すようなシュートを体全体で食い止める。初の五輪舞台で随所に光るプレーを見せた。

 昨年暮れまで中学生の家庭教師をして英語や数学を教え、競技の活動費を捻出していた。現在は札幌学院大大学院生で臨床心理学を学ぶ。大学時代は人文学部トップの成績で奨学金も得ていた。

 「将来は心理カウンセラー」と夢を追う才媛は、防具に隠れて顔が見えない分、リンクの外で話題を呼んでいる。「スマイルがかわいい」。あと2戦、そんな守護神に勝利の笑顔を!