ソチ五輪ノルディックスキー・ジャンプ女子で11日夜(日本時間12日未明)、高梨沙羅(さら)(17)が出場。初代女王となる金メダルを目指した。結果は4位に終わったが、現地では出身地の北海道上川町の応援団がこいのぼりを手に声援を送り、同町でも多くの関係者が活躍を見守った。
「金メダルを取って帰ってきてください」「最高のジャンプを上川に届けてください」。応援団が試合会場で握りしめていたこいのぼりには、高梨の母校の町立上川中や同上川小の子供ら約300人のメッセージが書き込まれていた。そこには、幼いころから高梨を見守ってきた多くの人たちの思いも詰まっていた。
高梨が所属した上川ジャンプ少年団の元会長で後援会副会長を務める北村靖彦さん(76)は「ジャンプに興味なさそうだったあの子がここまで来るなんて」と感慨深げに話した。
父、寛也(ひろなり)さん(46)が元ジャンプ選手で兄、寛大(かんた)さん(21)も現役というジャンプ一家に生まれた高梨。小学1年までは少年団にいた兄の試合についてきても、自分の世界を大切にするかのように宿舎で留守番をしながら勉強しているような子供だった。
しかし、小学2年から見よう見まねで飛び始めると次第に夢中に。「浮く瞬間が楽しい」と無邪気に語り、努力を積むようになった。雨の中でもランニングを続けていた姿は北村さんの目に焼き付いている。