【美の扉】反復し増殖する日常の風景 「アンディ・ウォーホル展 永遠の15分」 森美術館 | 毎日のニュース

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 1962年8月。女優、マリリン・モンローが謎の死を遂げた直後、アンディ・ウォーホルはモンローの顔写真を手に入れ、キャンバスに刷った。ここから始まる「マリリン」シリーズにより、当時の英米を席巻していたポップアーティストのなかで一躍有名になっていった。

 現代アメリカ美術を代表するポップアートの旗手、ウォーホル。20世紀美術に大きな足跡を残した鬼才の大規模な回顧展が東京の森美術館で開かれている。

 知り合いの女性に拳銃で撃たれたり、日本のテレビCMに出たりと話題に事欠かなかった。銀髪のカツラがトレードマークだったカリスマは、今も世界で最も有名な現代アーティストといっていいだろう。

 62年にアクリル絵の具で身近にあったキャンベル・スープ缶を描き、個展で発表した。さらにシルクスクリーンで写真をキャンバスに転写する技法を用いて、エルビス・プレスリーら有名人やコカ・コーラなどの商品をモチーフにした作品を量産。その一方で、ジェット機事故、自動車事故、災害、惨事などの新聞を騒がせた報道写真も使用した。日常の事物を反復して描き、芸術作品に昇華させた。