東芝は15日、英国の原子力発電事業会社「ニュージェン」株式の60%を取得することで合意したと正式発表した。株主のスペイン電力大手イベルドローラと仏電力大手GDFスエズから、1億200万ポンド(約170億円)で取得する。東芝子会社の米ウェスチングハウス(WH)の原子炉3基を建設し、2024年の稼働開始を目指す。
東芝は昨年末にイベルドローラの保有するニュージェン株の50%すべてを取得することで合意。今回、さらに10%をGDFスエズから取得することで合意した。スエズは引き続き40%の出資を維持する。
ニュージェンは英北西部のカンブリア州で原発の建設を計画している。東芝は買収により、WHの最新型原子炉「AP1000」3基(合計出力340万キロワット)の納入につなげる狙い。総事業費は1兆5000億円程度になる見込みだ。
許認可などの手続きを経て、2018年ごろの建設開始を予定している。
ドイツなどで「脱原発」の動きが広がる一方、英国政府は原発建設を推進。一昨年には日立製作所も英国の原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」をドイツの電力大手から買収した。日本国内で原発の新設が見込めない中、国内メーカーは海外展開に生き残りをかけている。