【主張】成人の日 「仮免」の今は大いに学べ | 毎日のニュース

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 きょう「成人の日」を迎えた皆さんには、大人の仲間入りを果たした喜びもひとしおだろうが、一方で就職や進路、収入などに対する不安ものしかかっていようか。

 今年の元日を20歳で迎えた新成人は121万人と、昭和43年の統計開始以来の最少を更新した。少子高齢化で現役世代の負担が増す一途の将来を憂え、今後の暮らしを心配する若者も少なくないと思われる。

 しかし、時世や巡り合わせの不運を嘆いていても始まるまい。論語に「三十にして立つ。四十にして惑わず」とあるように、新成人が働き盛りとなる10年、20年後に安定した人生を送っていられるよう、この20歳の節目の意義や「大人」の意味を、就業の問題を中心に深く考えてみてほしい。

 徒弟制度が一般的だった昔なら、働き始めた頃の若者は先輩の大人からひたすら教わる立場だった。たとえ無報酬であっても、学べることを何よりの報酬とする自覚がそなわっていた。

 大人とは、そのような厳しい仕事の中で知識と能力を身につけ、晴れて一人前と認められた者だけに与えられる一種の免許ではなかったろうか。昔に寄り添って言うなら、現代の新成人はあくまで大人への「仮免許」を手にしたにすぎない。