【国際情勢分析 吉村剛史の目】TPP参加へ 経済的孤立と支持率低迷を危惧する台湾・馬政権 | 毎日のニュース

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 台湾の馬英九(ばえいきゅう)政権が地域経済で孤立する危惧に焦りをにじませている。馬総統(63)は年頭の演説で、2014年を「台湾経済の突破年とする」と宣言。中台双方の市場開放を促進するサービス貿易協定に反対する野党に対し、立法院(国会に相当)での早期承認に協力を呼びかけるとともに、海外との自由貿易協定(FTA)締結を一層推進する意向も強調。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に向けた具体策の模索にも乗り出した。

対外貿易、投資に活路

 「(総統就任以来)過去5年の元旦のあいさつは主に1年間の政策の成果を振り返ることだったが今年は違う」

 馬総統は元日、台北市内の総統府で江宜樺(こうぎか)行政院長(53)=首相=以下、各要職を前に、こう切り出した上で次のように語った。

 「今年の重点はただ一つ。全民あげて経済において努力することだ」

 演説の中で馬総統は、天然資源に乏しく、内需も限られている台湾の経済成長は、海外との貿易や投資などを頼みとする以外にないと強調。日中韓のFTAに向けた動向などと照らし、台湾の貿易自由化の取り組みが停滞すれば「手遅れになってしまう」と地域経済で孤立する危惧に触れ、TPPや東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への参加に向けて、より具体的な戦略を定める意向を示した。