【新春・直球緩球】三菱商事小林健社長(64) 「アジアで小売店舗展開」 | 毎日のニュース

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 --世界経済の見通しは

 「新興国経済が安定成長に変わり、緩やかな成長になる。昨年と異なるのは米国経済の復権だ。豊富なシェールガスを使った化学品の輸出事業など米国を中心に全社横断的に検討していきたい」

 --アジアの成長をどう取り込む 「インフラもあるが、生活水準があがり、食糧や食品、化学品など消費が増える。人口の多いインドネシアでは現地パートナーと組み、小売りチェーンも展開し、日本の食品メーカーの進出も後押しする。ベトナムやフィリピン、ミャンマーも今から手を打ちたい」

 --平成32年度に資源権益倍増と非資源利益倍増の経営目標を掲げた

 「チャレンジングな中期経営計画だが、事業領域を絞り、強い分野を伸ばす方向性を示したことで社員のやる気につながった。新事業領域開拓には企業買収などでスピードをつける。3カ年で1兆5千億円の資産入れ替えも力仕事になる」

 --エネルギーの安定調達は

 「『原発ゼロ』で他国に比べ約3倍の高い電気料金という図式は産業競争力上も良くない。早期にエネルギーベストミックスの国家目標を策定すべきだ。液化天然ガス調達先の多様化でいえば距離の近いロシアも選択肢のひとつで、サハリン2拡張の経済合理性が高いと思う」

 --国内の取り組みは

 「東日本大震災の復興支援でもある仙台空港の運営事業の民営化に力を入れたい。海外でのインフラファンドのノウハウを国内にも応用していきたい」(上原すみ子)