【和食の魅力】(5)おもてなし 客と主人が互いに思いやる心 | 毎日のニュース

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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「和食 日本人の伝統的な食文化」。その要素の一つが「もてなし」だ。単に丁寧なサービスではなく、客を迎える主(あるじ)と客が互いを思いやる心とされる。

 主は料理や食器、室内の飾り付けなどを工夫する。一方、客は料理を味わい、器や演出を鑑賞して感動したことを伝えれば主へのねぎらいとなる。こうした「もてなし」は外国人にも伝わるようだ。

立ち上がって拍手

 外国人のシェフや食文化に親しみたい旅行者らに料理を教えているミシュラン二つ星の日本料理店「一二三庵(ひふみあん)」(東京都文京区)の女将(おかみ)、近藤陽子さんは「外国の方が最も感動されるのは、お料理を飾る季節の葉っぱです」と話す。

 和食は海外でもブームが続いており、料理を学びたい外国人は少なくない。彼らに好評なのが季節感と年中行事を取り入れた献立だ。植物や和紙などを使って季節感を表す趣向が外国人には珍しいという。

 例えば、秋には鮮やかな紅葉を添えたり、柿の照り葉を料理に敷いたりして、「おもてなしの心」を伝える。添えた紅葉が従業員の実家の山からその日届いたことを伝えると、特別なもてなしと受け止められる。