今月、茨城県民を沸かせたニュースがあった。JR東日本が、平成27年春に常磐線が東京駅に乗り入れると正式に発表したのだ。
東北新幹線や上越新幹線で既に東京駅に直結している群馬、栃木両県と違い、常磐線特急「ひたち」は上野駅止まり。日本一のターミナル駅への直結は、茨城県民の“悲願”だったともいえる。
東京駅までの乗り換えの手間が省け、乗車時間も短縮。水戸市民にとっては「東京ディズニーランドで夜のパレードを心置きなく楽しんでも、その日のうちに帰ってこられるようになる」のだから。
ただ、常磐線沿線住民にとって東京の玄関口となってきた上野駅は、その役割を終えることになる。北関東や東北から上京してきた人々の出会いや別れを見つめてきた上野駅が、一通過駅となるのは少し寂しい気がする。
人々が行き交う駅は、映画やドラマに度々登場する。茨城県ひたちなか市のひたちなか海浜鉄道湊線那珂湊駅は、映画「フラガール」のロケ地。東京からフラダンスの指導者として招かれた平山まどか(松雪泰子)が、ある事件をきっかけにハワイアンセンターを去ることになったとき、止めようと教え子の谷川紀美子(蒼井優)らフラガールが駆け付けるシーンが撮影された。
那珂湊駅は大正2年、湊鉄道の駅として開業。当時のまま残る木造の駅舎は、平成10年に「歴史と伝統のある駅で、開業当時の面影を残した駅」として「関東の駅百選」にも選ばれている。