大気汚染というと中国の大都市が頭に浮かぶが、ガーデン・シティを掲げ、環境対策が進むシンガポールもその例外ではない。お隣のインドネシア・スマトラ島などで大規模な野焼きや森林火災の際に生じる煙が、南西季節風(モンスーン)に乗って流されてくるためだ。林立する高層ビルもかすんでみえなくなるほどの「煙害」で、例年、インドネシアが乾期となる5~10月ごろに観測される。
そのシンガポールのリー・シェンロン首相が4月に米ワシントンを訪問した際、実業家らとの夕食会で、中国の大気汚染に関してこんなジョークを披露した。
「北京市民は自分の家の窓を開けるだけで、ただでたばこを吸える」