東京電力福島第1原発事故後の除染で出た汚染土や廃棄物を保管する中間貯蔵施設。政府は今月14日、福島県と地元3町へ建設受け入れを要請した。平成27年1月の運用開始を目指して建設を急ぎ、帰還の大前提である除染の加速化を図る考えだが、東京ドーム406個分の広さという巨大施設は、どんな施設なのか。一連の汚染廃棄物はどのように処理されているのか。
最終処分まで保管
受け入れを要請された3つの町の1つ、楢葉町。国道6号沿いの広大な農地に、汚染土を入れた「フレコンバッグ」と呼ばれる黒い袋が整然と並ぶ。中間貯蔵施設は、こうした福島県内に仮置きされる大量の汚染土や廃棄物を県外で最終処分できるようになるまでの最長30年間、保管する。
施設は、放射性セシウムの濃度に応じて3種類を建設。放射性物質が1キロ当たり8千ベクレル以下と低濃度の汚染土は、単純な構造の施設で保管する。8千ベクレル超~10万ベクレル以下の汚染土は、地下水を汚染しないよう、水をさえぎるシートや水を通しにくい土壌を敷き詰めた施設で保管。いずれも地下に埋設し、上部を土で覆う。
10万ベクレル超と高濃度の焼却灰や下水汚泥は、鉄筋コンクリート構造の建屋で専用ドラム缶などに入れる。