お節料理に欠かせない黒豆。時間がかかるし上手にできないからと、手作りを敬遠していませんか? 時短のコツを探ってみました。
【豆を戻す】北海道産の新豆を使い、豆の戻し方を検討しました。比較方法は、「水」「熱湯」「重曹入り熱湯」「調味料入り熱湯」です。分量は、いずれも豆300グラムに水2リットル。重曹は小さじ1/2、調味料は砂糖250グラム、しょうゆ1/4カップです。
「水」は6~8時間かけて緩やかに戻りました。昔からいわれている通り、一晩つける必要があります。「熱湯」は1時間ほどで戻り、「重曹入り熱湯」は「熱湯」より早く戻る傾向が見られました。これは、重曹に豆の繊維を軟らかくする働きがあるためです。「調味料入り熱湯」は「水」より立ち上がりが早いものの調味料の浸透圧の影響で吸水が遅れ、結局は戻るのに一晩かかります。
【皮の割れ】豆は、皮と実で戻るスピードが違います。皮よりも実が早く戻って膨れると皮が破れてしまい、通称「腹割れ」状態に。これではお節料理にふさわしくありません。
「水」と「熱湯」で腹割れ率を調べてみると、「水」は約3割、「熱湯」は約2割。意外にも、ゆっくり戻る「水」の方が多かったのです。「熱湯」はスピーディーなうえ、見た目も良い戻し方といえます。