インターネット上で流通し、投資商品としても取引が過熱している仮想通貨「ビットコイン」の取引価格が、中国人民元とドルに対して大暴落している。中国人民銀行(中央銀行)が今月上旬に金融機関に通知した仮想通貨に対する利用規制が引き金となり、11月30日に付けた最高値7588元(約12万9800円)が、18日午後には約70%安の2245元(約3万8000円)にまで下落した。ほぼ同時に、中国人民銀行のホームページが一時的に閲覧しにくい状態になり、規制に怒った投資家らが報復にサイバー攻撃をしかけたとの見方も出ている。ビットコインの信頼は一気に揺らいでいる。
富裕層、資金洗浄に利用
ビットコインは「ナカモト・サトシ」と名乗る正体不明の人物が2008年、電子通貨の通信規約とプログラムを公表したのがきっかけで、翌年2月から利用が始まった。
世界各地の民間業者によるネット上の「取引所」に口座を開設し、手持ちの現実通貨と交換したり、取引所を介して第三者に送金したりできる。ネット上で取引するため国境を越えて瞬時に送金でき、手数料もかからない。最近はネット上だけでなく、飲食店などで使える国もでてきた。一方で、ビットコインの取引は匿名性が高く、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪に悪用されるケースも指摘されている。