民主党政権下で始まった「社会保障と税の一体改革」の道筋を示すプログラム法案が衆院で審議中だ。ただ、法案は改革のスケジュールを示したものにすぎず、医療、介護など分野ごとの詳細な制度設計はこれからで、抜本改革が先送りされた分野もある。法案の今国会成立は暗雲が漂っており、制度改革の「第1関門」突破は見通せない。
有識者会議を設置
プログラム法案の正式名称は「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法案」。政府の社会保障制度改革国民会議(会長・清家篤慶応義塾長)が今年8月にまとめた報告書を踏まえ、平成26~29年度に行う「医療」「介護」「保険」などの制度改革について、スケジュールや実施時期などを定めた法案だ。
改革の着実な実施に向けた体制として、首相を本部長とする「社会保障制度改革推進本部」と、有識者が改革の進み具合や課題をチェックする「社会保障制度改革推進会議」を設置すると規定。推進本部は首相と官房長官をはじめ、総務相や財務相、厚生労働相ら関係閣僚で構成。有識者会議は首相が任命する委員がメンバーとなる。