植物のサイズ制御に成功 理研と千葉大 農作物の収量増加に期待 | 毎日のニュース

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 理化学研究所と千葉大の研究チームは、植物の細胞の中を満たす「細胞質」の動きを制御することで、細胞のサイズを大きくしたり小さくしたりすることに成功したと11日付の米科学誌に発表した。理研の富永基樹専任研究員は「食料やバイオ燃料となる農作物の収量を増やせる可能性がある」としている。

 細胞質は細胞の中でさまざまな方向に流れているが、今回、流れの速度を変えることに初めて成功、植物細胞のサイズに違いが表れることが判明した。

 細胞の中では、人間の2本足のような構造を持つミオシン11という物質が、細胞内に張り巡らされたタンパク質繊維の上を歩くように移動することで流れが起きていることが知られる。

 チームは、シロイヌナズナのミオシン11の遺伝子を操作し、「足の速さ」が速い型と遅い型を作製した。1カ月間の成長を、遺伝子操作しなかった型と比較すると、葉の面積が高速型で40%増え、低速型では30%減った。細胞1個のサイズも高速型は大きくなり、低速型は小さくなっていた。