居酒屋の定番メニュー「マグロ山かけ」が糖尿病予防に!? マグロと長イモをご飯と一緒に食べた場合、ご飯だけや「ご飯とマグロ」「ご飯と長イモ」の組み合わせより食後血糖の上昇が緩和されるとの結果が、神奈川県立保健福祉大栄養学科のヒト試験で出た。血糖上昇をコントロールすることは糖尿病予備群の高血糖状態解消や患者の重症化予防につながるという。(寺田理恵)
◆「医食農同源」
昔から「マグロ山かけ」として一緒に食べられている「マグロ」と「長イモ」の食材の組み合わせは体に良いのではないか-。そんな仮定を科学的に検証したのが今回の試験だ。同大が位置する三浦半島には「三崎マグロ」の水揚げ港があり、生活習慣病の予防に役立つ地元産の食材を使ったレシピ開発の一環として行った。
山かけばかりでは飽きるため、同大の横山公通(ひろみち)教授が長イモとマグロの細切り炒めなど複数のメニューを考案。背景には、東洋医学の医食同源の考え方に食材を育てる「農」も取り入れた「医食農同源」の推進があり、他の医食農同源メニューも一緒にまとめた冊子を同県が栄養士の研修などで配布している。
被験者は40~60代の男女10人。昨年11月、5日に分けて朝食抜きで、(1)ご飯だけ(2)ご飯とマグロ(3)ご飯と長イモ(4)ご飯とマグロ、長イモ(マグロ山かけ)-の4つの試験食を日替わりで食べてもらい、食後2時間の血糖値を測定した。いずれも塩分が同じ量になるよう、しょうゆを使わないご飯単品のときは塩を振りかけた。