沖縄県うるま市出身の歌手、上間綾乃のセカンドアルバム「ニライカナイ」(日本コロムビア、2940円)がリリースされた。一流のクリエイターが参加し、泣ける曲から血湧き肉躍る曲までそろう、バラエティーに富んだ内容になっている。
ニライカナイとは、五穀豊穣(ほうじょう)と子孫繁栄を願う神の島で、沖縄で語り継がれてきた想像の島。歌うことは祈りをささげることだという上間は、「民謡というと古くさいもの、残していくべきものと理解されていますが、骨董(こっとう)品みたいに扱われるのはさびしいんです。時代が変われば人々の考え方も変わる。そして新しい要素を取り入れるから民謡も変わるんです」と話す。
アルバムについて「今の上間綾乃と、未来の上間綾乃からできた1枚」と説明する。メジャーデビューから1年以上がたったが、その間に多くの出会いがあり、視野が広がった。そして自分のルーツをより強く意識し、もっと音を楽しもうという気持ちになった。
先行してリリースされたシングル「ソランジュ」は康珍化作詞、都志見隆作曲で、南国の風景を連想させるゆったりとしたテンポの曲。「暗いニュースが多い時代だからこそ、歌わなければならない歌があります。チームで何度も涙を流しながら話し合い、できた歌です。何があっても大切な人の手は離してはいけないというメッセージになりました」。生涯大切に歌い続ける一曲だと言い切った。(櫛田寿宏)