【新帝国時代 第6部(4)1】中国のハリウッド 反日感情の「製造現場」 | 毎日のニュース

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 「日本兵の役にはセリフがなく、すぐに殺されるから監督になかなか覚えてもらえない。できることならやりたくない」

 9月末のある夕方、中国東部の浙江省東陽市横店にある映画・ドラマ撮影所の「横店影視城」の一角。約100人のエキストラのたまり場で、仕事のチャンスを待つ安徽省出身の楊建業(21)はカップラーメンをすすりながらぼやいた。

 映画スターを夢見て横店に来て約1年。楊は殺される日本兵の役を50回以上演じてきた。「銃で撃たれるのが一番楽だが、爆発で死ぬ場合は飛ばされるのでけがしやすい。撲殺シーンを好む監督が多いから困る。殴られるのは本当に痛い」と言って笑った。

 横店のエキストラ役の日当は約80元(約1280円)が相場だが、日本兵役だと100元(約1600円)前後になるという。

 「中国のハリウッド」と称する横店影視城は、1990年代に映画『阿片戦争』のロケ地に選ばれたことをきっかけに発足した。日中戦争当時の広州や香港など各都市の昔の町並みを再現した建物群が並ぶ。

 毎年100作品以上の映画、テレビドラマが撮影され、その半分は日中戦争がテーマ。