【書評倶楽部】落語家・桂文珍 『クラッシャーズ墜落事故調査班 上・下』 | 毎日のニュース

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 □デイナ・ヘインズ著、芹澤恵訳

 ■手に汗握る展開とテンポ

 最近TVドラマ、何をごらんになっているのでしょう。

 日本のドラマでは朝ドラの「あまちゃん」? 「半沢直樹」? この辺りが調子がよさそうなのですが、地上デジタル、BS、ケーブル、さまざまなチョイスができる今日、「CSI:科学捜査班」「24-TWENTY FOUR-」なんぞの海外ドラマにハマっている方々も多いのではないか、と思う。

 そんな方にピッタリ。

 今回の『クラッシャーズ 墜落事故調査班』は、アメリカ運輸省所属の航空機事故調査チームのこと。日本で言えば航空・鉄道事故調査委員会のような組織で、事故が起きた場合に徹底してその原因を調査し、結果報告をし、二度とそのような事故が起きないように警鐘を鳴らし、安全のために厳しいルールや改善を求める組織だ。

 アメリカ・ポートランド近郊で旅客機が墜落する。機長はアフリカ系アメリカ人女性で、タフで几帳面(きちょうめん)なプロ。ロサンゼルスに向かう途中、離陸からまもなく機体が制御不能に陥る。読者はパイロットの人為的ミスでないことを直感で知る。