【リーマン・ショック5年】景気回復も新たな危機の芽 | 毎日のニュース

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 米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻から15日で5年。リーマン破綻によって極度の信用不安が広がった金融市場は大混乱に陥り、金融危機と世界同時不況の発端となった。各国の大規模な金融緩和や財政出動によって世界経済は最悪期を脱したが、米国が早期に量的金融緩和策を縮小するとの観測を背景に新興国から資金が流出。新たな危機の芽も出始めている。

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 首都ワシントン近郊のバージニア州アーリントンの自動車販売店。ずらりと車が並ぶ展示場は週末は大勢の人でにぎわい、忙しそうに販売担当者が行き交う。

 米景気のバロメーターの自動車市場が活気づいている。8月の新車販売台数は前年同月比17%増の150万3151台で、単月としては6年3カ月ぶりの高水準。昨年2月にリーマン・ショック前の水準を回復した勢いが持続している。

 4~6月期の米実質国内総生産(GDP)は年率換算で2・5%増で、9四半期連続でプラス成長が続く。原動力は堅調な企業業績。株式市場もリーマン・ショック前の水準を回復し、3月にはダウ工業株30種平均が5年5カ月ぶりに最高値を更新した。