「パパ~、半分こしましょ~」
ひなちゃんから、ゆでたトウモロコシを手渡されました。待てよ! これで料理が作れないかな? 冷蔵庫に豆腐があるけれど-。
「豆腐を生地にしてトウモロコシを入れ、落とし焼きにするのはいかが? 『豆腐のおやき』みたいにするの」
江上料理学院副院長の江上佳奈美先生が、こうアドバイスしてくれました。夏は冷ややっこにすることが多いから、そういう豆腐の食べ方は新鮮ですね。
早速、豆腐の水切りから始めました。ざるにのせて自然に水を切って、さらに電子レンジで加熱して、しっかりと水分を抜きます。トウモロコシとオクラ、つなぎの卵を加え、塩、コショウで調味して、よく混ぜます。
「落とし焼きは本来、生地をスプーンですくって流し落としながら焼くんだけれど、今回は水分が少ないから、小さなハンバーグみたいに丸く形を作ってから焼きましょう」と江上先生。
焦げ目がつくまでじっくりと焼くのがおいしさの鍵。香ばしい香りがたまりません。食べるときは、好みでしょうゆやポン酢をつけて。シンプルな味付けだから、トウモロコシの自然な甘みも引き立ちます。
「お箸の先から、やわらかな弾力が伝わってくるわ」とママ。ひなちゃんは「カリッとして、フワッとして、トロッとしてますぅ~」。どうやら、こんがり焼いた表面が「カリッ」、中の豆腐が「フワッ」、オクラから出る粘り気を「トロッ」と感じたようです。つまり、一口でさまざまな食感が楽しめるということですね。(取材協力・江上料理学院)