【美の扉】国立新美術館「アメリカン・ポップ・アート展」 | 毎日のニュース

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 マリリン・モンローなどを題材にした作品で知られるアンディ・ウォーホル(1928~87年)をはじめとするポップ・アートの作品を集めた展覧会「アメリカン・ポップ・アート展」が、東京・六本木の国立新美術館で開かれている。

 展覧会の目玉は、ウォーホルの最高傑作で“ポップ・アートのモナ・リザ”といわれる「200個のキャンベル・スープ缶」だ。モチーフはウォーホルが好んで用いたキャンベル・スープの缶。ステンシル(型紙)を使って200個も規則的に並べて1枚の画面に描いた。

 具体的には厚紙を切り抜いて画面に張り、筆やスプレーで絵の具を塗っていった。派手なスープ缶がこれほど描かれると壮観でさえある。後に大量生産されるシルクスクリーンに移行する前に制作された絵画であり、もっとも重要な作品の一つとされている。

 ウォーホルとともにポップ・アートの旗手として知られるロイ・リキテンスタイン(1923~97年)の代表作「鏡の中の少女」も出品された。赤を背景に黄色の髪の少女が鏡に笑顔を浮かべて、明るく屈託がない。

 少女の顔には赤いベンデイ・ドット(印刷の網点)が用いられ、漫画のコマを拡大したような作品で知られる画家の特徴を示している。鋼板にエナメルによる着色で工業製品のような雰囲気を出し、いかにも軽快でポップ・アートらしい作品だ。