尖閣周辺の領海 中国船侵入、最長の28時間超える | 毎日のニュース

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 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本の領海内に7日侵入し、航行を続けていた中国海警局所属の船「海警」計4隻が、8日正午前後に領海から退去した。今回の領海侵入は丸1日を超え、約28時間15分となった。昨年9月の尖閣国有化以降で最長だった2月4日の約14時間15分を大幅に上回った。

 関係者によると、尖閣周辺海域では、愛媛県議や地元の石垣市議らを乗せた漁船が視察を実施。海警はこの漁船の動向を監視するなどしていたとみられ、漁船が尖閣を離れたのに合わせ領海から退去した。

 中国公船の領海侵入は3日以来で、尖閣国有化後は56回目。外務省の伊原純一アジア大洋州局長は8日午前、中国の韓志強駐日臨時代理大使(駐日公使)に厳重抗議した。

 菅義偉官房長官は記者会見で「尖閣保有後、最長となっており極めて遺憾だ。全く受け入れられない」と非難した。岸田文雄外相も「力を背景とした現状変更の試みは今日の国際社会で許されるものではない」と強く批判した。

 第11管区海上保安本部(那覇)によると、海警4隻は7日午前7時25分ごろから相次いで領海内に侵入した。同日夜に1隻が交代する形をとったが、4隻態勢を維持。一時漂泊するなどし、丸1日が経過しても領海から出なかった。

 海保巡視船が進路をふさいだり、領海内から退去するように無線などを通じて再三警告した。これに対し海警は8日、領海内で「釣魚島および付属の島々は古来より中国固有の領土だ」などと中国語や日本語で応答してきたという。

 4隻は同日午前11時40分ごろから正午過ぎまでに順次領海内から退去した。