韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は、北東アジアの中堅国を率いる女性として、世界の主要国リーダーとの駆け引きで屈しないことを示した。
6月30日、朴氏は4日間の中国訪問を終えた。中国は、朝鮮半島に覆いかぶさる最大の隣国だが、その訪問は完璧なまでに成功といえた。
中国の習近平国家主席は7時間の会談で外交的修辞とはいえ、朴氏への賛辞をあふれさせた。「中国は、朝鮮半島内の問題解決に韓国が取り組めるよう支援する」と述べ、「韓国と中国は朝鮮半島の平和と北東アジア平和協力構想を実現するため、緊密な連携を維持していく」とも語った。
韓国大統領は習氏だけでなく、中国の他の指導者らとも会談し、名門の清華大学で学生らに対して演説も行った。古代中国の首都で文化の中心でもあった西部の西安も訪れ、有名な兵馬俑(よう)も見学した。
訪中は成功とみなされたワシントン訪問からわずか6週間後に行われた。オバマ大統領や他の米国指導者らと会談し、議会でも演説。1950~53年の朝鮮戦争で、米国が北朝鮮と中国の侵略から韓国を守ったことに謝意を示した。
朴氏の中国での振る舞いは、韓国の有権者らの間だけでなく、アジアで孤立しがちな日本や、特に深い沈黙を守る北朝鮮でも間違いなく入念に調べられたであろう。男性社会の韓国で選ばれた初の女性大統領として、朴氏の一挙手一投足は常に注目を浴びる。日本の安倍晋三首相は、日本の存在感を取り戻そうとしているが、今のところ、ほとんど成功していない。