【主張】熱中症予防 適切な冷房に遠慮は無用 | 毎日のニュース

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 列島各地で猛烈な暑さが続いている。9日に観測史上最高の39・1度を記録した山梨県甲州市(勝沼)をはじめ、関東甲信、東海地方などでは連日の「猛暑日」(最高気温が35度以上)となり、熱中症で病院に搬送される人も相次いだ。

 この暑さは12日ごろまで続く見通しという。さらに気象庁の3カ月予報でも、今夏は全国的に気温が高めになる傾向が強い。「暑く長い夏」を乗り切るため、節電よりもまず健康に留意して、熱中症予防に万全を期したい。

 今年は関東甲信から九州地方までの梅雨明けが平年より6~15日早かったうえ、大陸側から張り出したチベット高気圧が日本の上空で太平洋高気圧と重なり、気温上昇に拍車をかけているという。

 今はまだ、体が暑さに慣れていない。とくに高齢者や乳幼児のいる家庭では、こまめな水分、塩分の補給と冷房の使用などで、熱中症を未然に防ぐことが大切だ。

 熱中症は、高温多湿の環境で体の熱を十分に放出できず、水分と塩分のバランスが崩れて体温調節機能がなくなったときに起きやすい。めまいや吐き気、脱力感などの症状があり、重い場合は意識障害や命を落とす危険もある。

 炎天下の外出や運動を避け、十分な睡眠と休養をとるなど体調管理が予防の基本だが、気象庁や厚生労働省は、冷房の「適切な利用」を呼びかけている。