浅草寺病院、僧侶らの治療費着服 元経理課長を逮捕へ 警視庁 | 毎日のニュース

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 東京・浅草の浅草寺の僧侶を主に診療する社会福祉法人「浅草寺病院」で、元経理課長の50代の男が僧侶らの医療費を着服するなどした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が10日にも男を業務上横領容疑で逮捕する方針を固めたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。男は浅草寺と同病院間の特殊な医療制度を悪用しており、捜査2課が全容解明を進める。

 捜査関係者によると、男は平成18~21年に同様の手口で計約2億7千万円を着服したとされるが、不正発覚後に一部を弁済。少なくとも数千万円を着服した疑いがもたれている。

 男は同病院の会計業務を一任され、浅草寺が僧侶らの医療費の自己負担分を後日、同病院に支払う制度を悪用。寺から男名義の口座に直接振り込ませたり、同病院に振り出された小切手を換金したりする手口で着服を繰り返していた。

 浅草寺への税務調査で不正経理が発覚。同病院の内部調査に男が「投資に使った」などと着服を認めたため、男を懲戒解雇し、警視庁に告訴していた。

 浅草寺は飛鳥時代の628年に創建された都内最古の寺院で、山門の「雷門」で知られる。参拝者数は年間3千万人以上で、外国人観光客にも人気が高い。浅草寺病院は明治43年に浅草寺が境内に設立した診療所が母体となっている。