平成22年、岐阜市で解体中の工場の外壁が倒れ下敷きとなった女子高生が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた「丸万後藤興業」(岐阜市)の元専務後藤宣弘被告(52)と重機オペレーター松本安司被告(62)に、岐阜地裁(室橋雅仁裁判長)は10日、それぞれ禁錮1年2月の判決を言い渡した。求刑は後藤被告が禁錮1年6月、松本被告が禁錮2年だった。
事故は10年10月14日午後3時半ごろ発生。支えのない状態で1枚残されていた高さ約11メートル、幅約17メートル、重さ約20トンの壁が市道に倒れ下校中だった岐阜県大垣市の高校2年、川瀬友可里さん=当時(17)=が下敷きになった。壁の材質は鉄筋やコンクリートだった。
検察側は論告で「両被告は壁が倒壊する危険を認識しながら防止措置を取らなかった」と指摘。弁護側は「事故後、再発防止に取り組んでいる」とし、執行猶予付き判決を求めていた。友可里さんの父、正明さん(43)と母、千春さん(42)は厳罰を求めていた。